私の中の私たち    作:六鬼頭円陣

私には人に言えない秘密がある。
その秘密は、新しい秘密を呼び、坂を転がり落ちる雪玉のように大きくなる。
秘密は私を縛り付ける…
秘密の所為で私は苦しい。
耐えられない…
自殺しようかな…って考えた時もある…
でも私にはできなかった。
勇気がない…
両親に申し訳がない…
想いを告げてくれた彼に申し訳がないから…
そんなのじゃない…
そんなのじゃない…
ただ…
ただ…

 私は放課後、何時ものように指定された場所へ行く。
蝉の鳴き声が煩く思える1階奥のトイレ。そこは理科室や家庭科室などがあり、人通りが少ない場所だ。だから、彼女はそこへ私を呼びつける。
「ちょっと、遅刻ね♪」
洗面台に腰掛けた彼女が、フザケタように言う。
「今日は掃除当番だって、知っているでしょ」
昨日、この事は告げてあるから、彼女が知らないわけがない。
「綾音ちゃんってば冗談よ♪それとも…」
彼女はじっと私の目を見る。
「ここに来たくなかったの〜?」
殺したい!
私は彼女に殺意を何度覚えたかわからない。でも、私にそんなことができる筈がないと、彼女は思っている。実際、その通りだから、私は悔しい。
「じゃあ、今日は帰ろっか♪」
彼女の言葉の裏には『秘密をバラす』という韻が含まれている。
私は強く握った握り拳をゆっくりと開く。歯軋りしそうな口元をゆっくりと窄め、目を強く閉じて深呼吸する。そして、うっすらと目を開く。
「わ…」
私の言葉に彼女は耳を傾げる。期待しているのだ。
「私の…」
彼女は右目を閉じる。
「私のおちんちんを可愛がってください…」
秘密の告白。そう、私の秘密は男女両方の『性』持って生まれてきた事だ。戸籍上は女となっているが、私は両性具有…一種のシャム双生児なのだ。中学卒業までは目立たなかった。でも、高校に入ってから、これは成長を始めた。
その秘密を彼女に知られてしまった。
私の目から悔し涙が流れる。それと同時に頬が熱くなる。
「じゃあ、いつものように脱いで〜、ちゃあんと、イカせてあげるからね」
彼女は洗面台から降りる。
「今日は6回はイカせてあげるからね」
彼女はいやらしく笑う。
「ふふ…この青空学園のマドンナ桂木綾音に…おちんちんが生えてるなんてね〜…初めて見たときは、ホント、ビックリしたわ」
彼女に私の秘密を知られたのも、このトイレだった。
その日は我慢できなくなって、ここでオナニーをしてしまった。しかも、この学園の制服の都合上、下半身をさらけ出してオナニーしていた。
それを偶然、彼女に見つかったのだ。
誰にも見つからない…大丈夫…1回くらいなら…
その油断の結果が今の私だ。
私たちは一つの個室に入る。2人で入ると狭いが、私はスカートと下着を脱ぐと、洋式の便器の上に両足を乗せ、しゃがみ込む。
彼女の前に私の恥ずかしい所が丸見えになっている。
この時、私は背筋を伸ばし、腰を前に出す。早く終わってほしいのもある…
…しかし、それ以上に私の体は快楽を求めているからだ。
その証拠に私のおちんちんは何もされていないのに勃起しはじめる。
「綾音ちゃんの、おちんちんっていつ見ても可愛いわね〜♪」
座り込んだ彼女は勃起している私の、おちんちんを軽く握るとコンドームを手際よく付けてくれる。聞くところによると、彼女は何人かの男性遍歴があるそうだ。SEXの経験もあり、おちんちんの扱いなど手馴れたものだ。
だが、今の彼女は私のおちんちんよりも、お尻の穴に執心している。
「はい♪いつものね」
彼女はピンポン玉が幾つも凧糸でつながった様な道具を鞄から取り出す。
「じゃあ、行くわよ…」
最初のボールをぺろりと舐めて唾をまぶす。
そして、彼女は私のお尻の穴にそれを押し込む。
無理矢理、逆方向から開かれる感覚は違和感…嫌悪感…そして快感…だった。
「もう、こんなの、すんなりね」
そう、こうしてお尻の穴を弄られて、これくらいは平気になった。最初はすごく痛かったのだけれども、今ではお尻で快感を得ている。その証拠に、私のおちんちんは硬く、大きくなっている。女の子の方も濡れているのが分かる。
変態
私の中の正常な部分が囁きかける。
快楽に浸りなさい
私の中の異常な部分が囁きかける。
私は異常な方の囁きに従う。
「ひぃ!あ!ああ!」
お尻の穴に入ったボールは7個。それが入れられる度に、私は嬌声を上げる。
「感じちゃってるのね♪じゃあ…」
彼女はボールを勢いよく全て引き抜く。
「あひゃ、あああああ〜!」
私は排便にも似た快感の中、コンドームの中へ激しく射精した。
「もう、こっちの快感を憶えちゃってるのね」
意地悪く彼女は笑う。私のおちんちんは勃起したまま、次の射精を待つ。
「いつも通り、まだ立ったままね♪」
彼女は私のワレメに指をなぞらせる。愛液でヌルヌルのワレメはツルツルとよく滑る。そして、浅く、処女膜を破らないようにゆっくりと人差し指を膣に入れる。人差し指は膣口あたりを広げるように撫で回す。
「ふひぃっ!あっ!あっ!そこ…いい…いい!」
情けないが私の快楽神経は彼女に支配されている。彼女は次に親指をお尻の穴に深く挿入する。そのまま、摘んだり、離したりするように、そして擦り合わせるように指を動かす。そう、彼女は片手で私のワレメとお尻を同時に愛撫する。
それだけでは無く、彼女は私のおちんちんをコンドーム越しに銜える。
射精したてで、敏感なおちんちんには『こそばゆい』だけなのだが、彼女のフェラチオと愛撫に興奮してしまっている私は…そんな淫らな私は快楽を感じてしまう。
「ひっ…あひっ!ふっ!あああ…」
びくっ!びくっ!とおちんちんが震え、すぐに2回目の射精をしてしまった。
「あ…がぁ…」
目と口を大きく開いている私の顔は、彼女の目にだらしなく映っているだろう。
それでもいい…
そう、私の心に、私は語りかける。
堕ちて行くのも快感の内よ…
だめよ!このままじゃ、彼に会えなくなるわ!
気持ち良い事、しましょう…
もう、死にたい…
でも、死ねない…
私は誰の為に生きてるの?
彼の為に生きてるの!
何人もの私が、今の私に呼びかける。何度も、繰り返し、繰り返し…
私の頭の中が真っ白になるまで…

 私が意識を取り戻したのは、それからすぐの様だ。全てをさらけ出したままの格好で、便座に座っている。
「今日は2回でダウンって、情けないわね〜」
彼女は帰り支度をしている。今日はこれくらいで、勘弁してもらえるんだ…
私は寝起きのように、ぼうっとした頭で考える。
「明後日から、夏休みね♪」
彼女は制服の胸ポケットから、1枚の紙切れを取り出した。
「明後日はここに来るのよ。わかった?」
私は受け取れなかった。体がだるくて、動けない…
「んもう」
彼女はその紙切れを私の制服の胸ポケットに押し込んだ。
「来ない時は」
彼女は得意げにデジカメを見せる。
「これをバラマクからね」
好きにすればいい…
もう、どうでもいい…
でも、私はきっと、記された場所へ行くだろう…
そこへ行けば、更なる快楽があるはずだから…
彼女はトイレのドアを閉める。
私の意識はそこから正常に機能し始める。
今は、愛液と汗、それと精液に汚れ、さらけ出したままの下半身を綺麗に拭く。
でも、いくら拭いても、私の心は綺麗にはならないだろう。
もう堕ちていくしかないのだ…
そして、幾つもの秘密を、色々な人々に作っていくだけだ…
永遠に…

FIN

<700,000HIT & 誕生日記念SS>
六鬼頭円陣様より、当HPの700,000HITクリアー記念&ICEの誕生日記念の、
SSを頂戴いたしました!
今回の題材はトゥルーラ○ストーリー。
本作とは違った、上質のエロティシズムをご堪能下さいまし♪
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